前回はサブ3を達成するために、覚えておきたい知識として「Vo2MAX」と「LT値」をご紹介しました。これらの数値は、日々のトレーニングで高めることができます。Vo2MAXやLT値が向上すれば、より速いスピードを維持して走り続けられることが期待できます。その結果、サブ3という目標は近づいてくるはずです。ここではVo2MAXとLT値を高めるために、具体的なトレーニング方法をご紹介します。Vo2MAXを高めるトレーニングVo2MAXが高まれば体内に取り込める酸素量が増え、これをエネルギーに用いることで、より速く・長く走ることが可能になります。そのためには、強度の高いトレーニングに取り組むことが必要です。この際、走っている際の心拍数を確認してください。心拍数が低くても、逆に高過ぎてもいけません。トレーニングメニューに応じて調整し、その心拍状態を維持するようにしましょう。以下で具体的なトレーニングと共に、それぞれ最大心拍数に対してどの程度の心拍状態が望ましいか記載しています。インターバルトレーニング|最大心拍数×90%程度上記強度での走行とレスト(ジョギングやウォーキングなど緩やかな運動、あるいは休息)を組み合わせ、これを繰り返すトレーニングです。以下バリエーションを参考に、アレンジして行ってみてください。スピード持久力の効果も期待できます。400m×10本(レスト1分)1000m×5本(レスト2分)などレペティショントレーニング|最大心拍数×95%以上インターバルと異なり、十分な休息を設けて全力に近いペースで走るトレーニングです。本数を増やすのではなく、しっかり1本1本を追い込んで走りましょう。最大スピードの向上にも繋がります。400m×5本(レスト2~3分)1000m×3本(レスト4~5分)などペース走|最大心拍数×80%程度一定ペースを維持しながら、6000~10000m程度を目安に走ります。余裕がある場合には、ラスト1km程度のみペースアップしても構いません。次項で取り上げるLT値の向上にも効果的なトレーニングです。LT値を高めるトレーニングLT値が高まれば、速いペースで走っても乳酸が溜まりにくく(疲労しにくく)なります。そしてこのLT値は、日々のトレーニングで高めることが可能です。具体的には、以下のようなトレーニングが効果的でしょう。それぞれ走る際の目安となる心拍数も記載しましたので、参考にしてください。LSD(ロング・スロー・ディスタンス)|最大心拍×60~70%程度20~30km程度を目安とした長めの距離を、ゆったりしたペースで走ります。しっかり呼吸しながら、仲間と一緒なら会話を楽しんで走るのも良いでしょう。下肢全体の筋力アップにも繋がるトレーニングです。テンポ走|最大心拍×80~90%程度心拍状態がLT値に当たるペースで、20~30分走ります。目安として、60分なら維持して走り切れる程度のペースです。クルーズインターバル|最大心拍×80~90%程度テンポ走と同じLT値をベースとしたのペースでインターバルを行います。例えば5分×4~5本、間を1km walkで繋ぎながら走るといった具合です。テンポ走が苦手という方でも、インターバルなら休息をはさむことで走り切ることができるでしょう。なお、休息が長くなり過ぎると効果が薄れる点に注意してください。心拍数を軸としてペースを決めようVo2MAXやLT値の向上を目的とする場合、ペースを設定するのではなく、心拍数を軸にペースコントロールするようにしてください。トレーニングを重ねることでVo2MAXやLT値は少しずつ向上し、適したペースも変わってきます。それなのに最初と同じペースで練習を繰り返していても、大きな成長は期待できません。なお、いずれも強度の高いトレーニングとなりますので、連日のように行うことは避けましょう。ジョギングなど強度の低いトレーニング、あるいは完全休息なども含めてトレーニング計画を組んでください。そうしないと疲労が溜まった状態で走ることになり、本来走るべきペースで走れません。ここでご紹介したトレーニング内容を参考に、ぜひVo2MAXやLT値を向上させてサブ3を果たしてください。サブ3を目指すランナーにオススメの記事フルマラソンでサブ3を目指す!おすすめのトレーニング方法 マラソンランナーのための筋トレ術 - 上半身編ランニング効率を高めるためには、まずは「着地」を改善しよう