サブ4やサブ3などのタイム目標を達成するなら、トレーニング計画を立てて練習しましょう。そのために大切なのが、トレーニングメニュー毎に期待できる効果や適切なペース設定、走る際のポイントなどを理解しておくこと。ここでは多くのランナーがご存じの「ペース走」について詳しく解説します。ペース走って、どんな練習方法?あらかじめペースを設定し、それを維持して走るのが「ペース走」です。ペースは各個人の目標や走力によって調整できるため、レベルを問わず取り入れられます。ただし、後半になってペースが落ちては大きな効果が得られません。そのため速いペースを設定する場合でも、しっかり最後まで走り切れるかどうか考えることが大切です。ペース走で期待できる効果では、ペース走によってどのような効果が得られるのか。具体的なものとして、以下の4つが挙げられます。1. スピード持久力の向上当然のことですが、例えばサブ3を目標とするのであれば、その平均ペースである4:15/kmを42.195km維持し続けなければいけません。ペース走を行うことでスピード持久力が鍛えられ、少しずつ同じペースで走り続けられる距離が伸びていくでしょう。2. LT値の向上LT値については過去記事で解説していますので、そちらをご参照ください。ペース走では、このLT値を向上する効果も期待できます。LT値のペース(LTペース/ATペースとも呼ぶ)は簡単に言うと、フルマラソンを走り切れる最大ペースと言えるでしょう。参考:マラソンでサブ3を目指すなら、Vo2MAXとLT値を意識しようhttps://media.orphe.io/post/measure-vo2max-and-lt3. ランニングエコノミーの向上ペース走を継続することで、身体がそのペースに慣れてきます。すると身体の動きが安定し、同じペースでも効率的に走れるようになっていくはずです。つまり、ランニングフォームが設定ペースに順応していくということ。その結果、ランニングエコノミーが向上し、同じ距離・ペースでも疲労しにくくなっていきます。4. ペース感覚の向上今ではGPSウォッチが広く普及したため、誰でも自分が走っているペースを即座にすることができます。しかし、レース中は頻繁にウォッチを確認するのではなく、走りに集中することがとても重要です。後述しますが、ペース走では目標タイムの平均ペースに設定することが一般的。このペースを何度も繰り返し走ることで、自分の動きや感覚から「速過ぎない/遅過ぎないか」がなんとなく判断できるようになります。距離とペース設定先にも少し触れましたが、ペース走は「目標タイムの平均ペース」(以下、レースペース)に設定して行うことが一般的です。LT走のようにそれより速いペースで(かつ短い距離を)走るトレーニングもペース走の一部と言えますが、基本的にはレースペースを意識しましょう。以下にフルマラソンのタイム別平均ペースを記載しましたので、参考にしてください。目標タイム:平均ペース5時間:7:06/km4時間半:6:23/km4時間(サブフォー):5:41/km3時間半:4:58/km3時間(サブスリー):4:15/km2時間50分(サブエガ):4:01/km2時間半:3:33/km距離は“少しずつ伸ばす”のがおすすめ。レースペースに設定するのですから、当然ながら42.195kmは走れません。むしろトレーニングを重ねることで、レース本番に42.195kmを走り切れるように鍛えていくのです。そのため、まずは10km程度から始めてみてください。そこをスタート地点として、余力が出てきたら少しずつ距離を伸ばしていきます。あまり追い込み過ぎず、「きついけど、もう少しなら走れるかもしれない」程度で終えるのがおすすめです。なお、ペース走は負荷の高いトレーニングとなります。あまり頻繁に行うと疲労が蓄積し、そのような状態ではむしろ走れる距離が短くなってしまうかもしれません。しっかり休息や低強度のトレーニングを挟みながら、週1~2回を目安に取り入れると良いでしょう。ペース維持とランニングフォームの確認がポイント!ペース走を行う際には、何より「一定ペースを保って走る」ことが重要です。速過ぎても遅過ぎても、効果は低くなってしまいます。そのため、GPSウォッチを活用してペースを確認しながら走ったり、競技場など距離の一定なコースで1km毎にタイムを計測したりしながら行ってください。早過ぎるペースに設定すると余裕がなくなり、結果としてペースもバラバラになりかねません。現在の走力をもとに目指すべき目標を定め、適切なペースを設定しましょう。例えば将来的な目標がサブスリーでも、現在の実力が3時間半を切れていないのであれば、サブスリーペースでのペース走は「まだ早い」と言わざるを得ません。まずは3時間半ペースから段階的に目標をクリアした方が、最終的にはもっとも効率的に目標達成へとたどり着くはずです。また、ペース走はランニングエコノミーの向上にも繋がると取り上げました。では、実際のところ自分のランニングフォームがどのように変化しているのか。これについては自身の走りを動画撮影して確認したり、ウェアラブルデバイス等で可視化したりするのがおすすめです。EVORIDE ORPHEはペース走にも対応する優れたシューズとしての機能を持ちながら、ご自身のランニングフォームをスマートフォン上で確認できます。GPSウォッチと併用すれば、より効果的なトレーニングが行えるでしょう。ペース走を取り入れて、ぜひ目標達成を果たしてください。