サブ4やサブ3などの目標達成を目指すなら、計画的に練習しましょう。トレーニングメニューにはさまざまな種類があり、その特徴を理解したうえで組み合わせることが大切です。ここではインターバル走について取り上げ、期待できる効果やバリエーション、取り組む際のポイントなどを解説します。インターバル走って、どんな練習?インターバル走は簡単に言うと、「疾走(速いペースでの走り)」と「短めの休息(レスト)」を組み合わせたトレーニングです。レストはその場で休んでも構いませんが、ゆっくりペースでのジョギングで行うのがおすすめ。走る動作そのものを止めないので、すぐ疾走に切り替えやすいでしょう。インターバル走で期待できる効果インターバル走は、さまざまな効果が期待できるトレーニングです。ここでは、具体的に5つ取り上げて解説します。1. Vo2MAXの向上Vo2MAXとは、1分間に体内へ取り込める酸素量の最大値です。多くの酸素が体内へ取り込めれば、それだけ多くエネルギーが生成できるようになり、速いスピードを維持して長く走り続けられるようになるでしょう。このVo2MAXを向上させるのに、インターバル走はとても効果的です。なお、Vo2MAXについては以下記事でも解説していますので、参考にご覧ください。参考:マラソンでサブ3を目指すなら、Vo2MAXとLT値を意識しよう2. 最大スピードの向上例えばサブスリーは、平均すると4:15/kmペースです。これに対して1kmの最速ペースが4:15/kmであれば、当然ながら42.195kmを同ペースで走り切ることはできません。そのため、最大スピードの強化が1つの課題となるでしょう。インターバル走は、この最大スピードを向上させる効果が期待できます。3. 心肺機能の強化体内に取り入れた酸素は肺へと送り込まれ、さらに心臓のポンプ機能によって血液と共に全身へ巡ります。心肺機能が低いとこの酸素循環が上手くできず、疲れやすくなってしまうでしょう。そのため、速いペースでも効率的に酸素を巡らせ続けられるよう心肺機能の強化が求められ、これにインターバル走はとてもおすすめです。4. 乳酸の再利用能力の向上ハイペースでのランニングを含め、高負荷の運動を行うと乳酸が生み出されます。なお、乳酸は疲労物質と思われがちですが、近年そうではないことが分かってきました。むしろこの乳酸は、エネルギーとして再利用することが可能です。乳酸をエネルギー源として活用できれば、後半になっても疲れにくく、速いペースを長く維持できるようになるでしょう。乳酸を生み出すハイペースでの疾走、そしてレストを繰り返すインターバル走は、乳酸の再生能力を高める効果が期待できます。インターバル走の種類と取り組み方インターバル走は、さまざまな距離で行うことができます。目的に応じて疾走距離を決め、これに合ったレストを設けましょう。基本的には、疾走は設定距離を全力に対し80%程度のペースで走ります。心拍計測できる場合は、最大心拍数に対して90%前後が目安です。ここでは距離別に「ショート」「ミドル」「ロング」で3種類に分け、それぞれ特に期待できる効果や距離・レスト例などをご紹介します。ショートインターバル600m以下を目安とした短い距離で行うインターバル走。陸上競技の中距離選手が良く取り入れるトレーニングですが、マラソンでも速筋を鍛えて最大スピードの向上を目指したり、力強く大きなランニングフォームを獲得したりするのに効果的です。距離/レスト例200m疾走→80m~100m jog/60~70秒レスト400m疾走→100m~150m jog/70~80秒レスト600m疾走→150~200m jog/80~90秒レストミドルインターバル800~2000mを目安とした距離で行います。Vo2MAXや乳酸の再利用能力の向上、スピード持久力の強化などを目指す場合に適したトレーニングです。距離/レスト例800m疾走→200m~300m jog/90~100秒レスト1000m疾走→250m~350m jog/100~110秒レスト2000m疾走→350~400m jog/110~120秒レストロングインターバル3000~5000mを目安とした距離のインターバル走です。ミドルインターバルと同様の効果に加え、筋力および筋持久力の強化などが期待できるでしょう。距離/レスト例3000m疾走→600m~700m jog/120~200秒レスト5000m疾走→700m~800m jog/200~300秒レストなお、このほかに複数距離を組み合わせた「変則インターバル走」というものもあります。より高いレベルを目指す、あるいはトレーニング内容に変化を持たせたいという場合は、以下のような距離の組み合わせで行ってみてください。800m+200m1000m+400m3000m+2000m+1000m1000m+800m+600m+400m+200mインターバル走を行う際のポイントインターバル走は高負荷なトレーニングのため、頻繁に行わないようにしてください。場合により、怪我の原因になりかねません。また、トレーニング後もケアに努め、疲労が残らないようにしましょう。しっかりクールダウンし、ストレッチやマッサージを実施。たんぱく質や炭水化物など、できるだけ早いタイミングで栄養も摂取してください。また、レストでは“休み過ぎ”に注意が必要。心拍数が計測できるのであれば、目安として100bpmを下回らないようにしてください。「落ち着いたけど、まだ平常時に比べると呼吸が早い」程度です。そうしないと、上記で挙げたような効果があまり得られません。そして疾走はあらかじめペースを設定し、これを落とさないこと。たとえ本数を走り切っても、後半になってペースダウンしてしまってはいけません。例えばサブスリーを目指す方が1000mのインターバル走を行うなら、3:45~3:50/km程度のペース設定が適切です。本数は距離によって異なりますが、おおむね5~20本を目安にすると良いでしょう。なお、疾走時には理想のランニングフォームをイメージし、大きく力強い走りを意識してください。ペースだけでなく、ランニングフォームもしっかり維持して走り切ることが大切です。ポイントを押さえてインターバル走を取り入れ、目標達成を目指しましょう!