フルマラソンを完走後、次の目標にサブ4(4時間切り)を掲げるランナーは多いでしょう。制限時間を4時間とするマラソン大会もあるほど、サブ4は“速い”ランナーの入口と言っても過言ではありません。しかし日々練習を重ねているのに、なかなか4時間を切ることができないという声を多く聞きます。そこで、サブ4を達成するためにおすすめのトレーニング方法をご紹介しましょう。練習内容を計画的かつ効果的なものに切り替えることで、サブ4という目標が一気に近づいてくるかもしれません。自分の走りをアップデートする3つの方法サブ4を目指すなら走りの土台作りから。量重視のトレーニングで距離を重ねても、大きな成長は見込めないでしょう。毎月数百kmという距離を走っているにも拘らず、伸び悩みを感じてしまうランナーは少なくありません。そこで、速く走るための準備を整えつつ、トレーニングを積み上げていくことが重要です。1. ランニングフォームの改善まずは、ランニングフォームを見直してみてください。42.195kmという距離をより速く走りたいなら、無駄のない効率的なランニングフォームが求められます。例えば後半になって脚が重くなったり、上半身と下半身の動きがバラバラになったり…。こうした方は一部の筋肉にばかり大きな負荷が掛かっていたり、長時間のフォーム維持ができていなかったりする可能性が考えられます。ランニングフォームは第三者に見てもらうほか、動画を撮影してチェックする、あるいはEVORIDE ORPHEやORPHE TRACKのようなスマートシューズを用いてデータ分析してみるのがおすすめです。私自身、こうした方法で定期的に自分自身の走りを確認しています。では、どのような点を改善すれば良いのか。まずは、着地位置を確認してみてください。これにはさまざまな意見がありますが、サブ4達成を目指すなら、足裏全体で地面に着地する「ミッドフット」がおすすめ。安定性が高まり、ふくらはぎや膝関節などへの負担の少ない走法です。着地位置について、詳しくは以下の記事を参考にご覧ください。参考記事ランニングに最適な着地は?ミッド、フォア、ヒールの特徴とオススメの着地法2. 可動域の拡大筋肉や関節部が固いと、ランニングフォームが小さくなってしまいます。大きくて力強いダイナミックな走りを獲得するために、可動域の拡大を目指しましょう。特に股関節や肩甲骨の周辺は、ストライドや腕振りに大きく影響を与えます。可動域を拡大にするにはストレッチがおすすめ。特にトレーニング前に動的ストレッチを行うと、動きに変化が感じられるでしょう。動きの良い状態で走れば身体への負担も軽減され、怪我のリスクも抑えられるはずです。具体的な動的ストレッチの方法については、以下で詳しく解説しています。参考記事5分でOK!ランニング前におすすめの動的ストレッチ – 上半身編5分でOK!ランニング前におすすめの動的ストレッチ – 下半身編また、可動域の拡大には筋膜リリースもおすすめ。凝り固まった部分を解すことで、筋肉を包む膜(=筋膜)がなめらかに動くようになります。筋膜リリースには専用の用具を使うことが多いですが、凝り固まった部位にテニスボール等を当て、やや体重を掛けながら押し当てて解すことでも効果が期待できるでしょう。3. 筋力アップより大きく、力強い走りを目指すために、筋力アップにも取り組んでみてください。とはいえ、例えばマシンを用いて筋肥大を目指す必要はありません。サブ4を目指すのであれば体幹部などを中心とした、自重トレーニングで十分です。特に体幹部の筋力アップは、前傾姿勢のランニングフォームを最後まで維持するのに欠かせません。具体的なトレーニングメニューは、以下の記事を参考にしてください。参考記事マラソンランナーのための筋トレ術 - 上半身編マラソンランナーのための筋トレ術 - 下半身編体幹を鍛えてレベルアップ!ランナーにおすすめの体幹トレーニング5選走力アップのトレーニングメニュー例ランニングフォームの改善と同時に、そのフォームを意識しながら走力アップに向けたトレーニングにも取り組んでいきましょう。トレーニングの種類は多様ですが、以下におすすめのメニューを5つご紹介します。1. ペース走一定のペースを設定し、それを維持して走るトレーニングです。サブ4の場合、最初から最後まで同じ速さで走り切るとすると、イーブンペースは約5:40/kmです。ペース走では無理にペースを上げるのではなく、このイーブンペースを意識して行いましょう。最初は5kmや10kmでも構いません。「〇kmまで5:40/kmで走り切る」と決め、これを維持して走ります。走力が上がるにつれて距離を伸ばしていきましょう。2. LSDLSD(Long Slow Distance)は、ゆったりとしたペースで長い距離を走るトレーニング。筋持久力や心肺機能の向上などの効果が期待できます。特に後半失速してしまうという方は、ぜひ取り入れたいトレーニングの一つです。7:00/kmなどジョギングより遅めのペースで、30~40km程度の距離をしっかり呼吸しながら走ります。ペースを上げ過ぎないように注意してください。3. 不整地走不整地でのトレーニングは、走りながら体幹部を鍛えたりバランス能力を養ったりできます。いつものペースでも心拍が上がり、無理なく負荷を高めた練習が行えるでしょう。そのため、ジョギングするだけでも大きな効果が期待できます。あるいはペース走などを置き換えたり、より追い込みたい場合にはファルトレクを行ったりするのもおすすめです。参考記事裸足もおすすめ!不整地トレーニングのメリット4. インターバル走約5:40/kmというペースに対してスピード能力が不足している場合には、インターバルトレーニングも有効です。ただし、あまり短い距離で行う必要はありません。1,000~3,000m程度の距離を目安としてください。なお、インターバル走は負荷が高いため、連日のよう高頻度では行わないようにしましょう。また、筋肉痛などの痛みや不調がある際は、思わぬ怪我に繋がる危険性もあるため避けてください。なお、約5:40/kmというペースが余裕をもって走れるのであれば、無理にスピード強化する必要はありません。むしろ、ペース走などでスピードの維持能力を高める方がおすすめです。しっかり休養を入れて無理のないトレーニングをサブ4を目指すためのトレーニングについてご紹介しました。1つ注意したいのが、決して無理に走らないこと。疲れが残った状態、あるいは不調のある状態で走れば、怪我などに繋がりかねません。それで走れなくなるようなことがあれば、本末転倒です。日々トレーニングの後にケアすることはもちろん、十分に休息も入れること。「毎日走らないと!」とトレーニングを義務化してしまう人がいますが、これはむしろ逆効果です。身体を動かさないと不安なら、休養日に筋トレや水泳など走る以外のトレーニングを行うのも良いでしょう。サブ4という目標達成に向けて、計画的にトレーニングを進めてください。