目標達成に向けて日々トレーニングに取り組むランナーの中には、スピードを課題に感じている人が多いかもしれません。例えばサブ3なら、42.195kmのペースを平均にすると4:15/kmほど。このペースを継続して走り切るには、スピード持久力だけでなくこれ以上の最大スピードも身に付けておきたいところです。そこで、今回はそうしたランナーのためにスピードトレーニングの種類や方法を解説します。スピードを高めるトレーニング4選スピード強化に繋がる、具体的なトレーニング方法をご紹介します。目安ペースはサブ3を目指す場合を想定していますので、ご自身の目標や走力に応じて調整してください。1. インターバル走速いスピードでの疾走を、ジョグなどの休息で繋ぐトレーニング。スピード強化だけでなく、Vo2MAXの向上なども期待できます。例えば、以下のような距離・反復回数・繋ぎで行うと良いでしょう。1,000mのインターバルなら5~10本、3:35~3:40/kmペースで繋ぎは3分jogを目安にしてください。陸上競技場のトラックで行うなら、400mjogで繋ぐのも良いでしょう。ポイントは1本目から最後までペースをできる限り落とさず、ある程度の反復回数をこなすこと。ペースが速くでも1~2本で終わったり、反復回数が多くてもペースが遅過ぎたりするのでは意味がありません。基本的には本数を決め、落ちずに追い込んで走り切れるようなペース設定から始めてください。2. ペース走インターバルのように反復して走るトレーニングですが、間はしっかり休息します。10~20km程度の距離を、レースペースより少し速いペースで走りましょう。例えばサブ3を目指すなら10kmで4:00/km、20kmで4:10/km程度に設定してください。スピードだけでなく持久力強化にも繋がります。3. 坂道走上り坂では平地と比べて大きな負荷が掛かり、筋力やスピードの強化が期待できます。心肺への負荷も高く、短い時間でも効率的なトレーニングができるでしょう。できれば150m以上の坂道があると良いですが、短くても反復回数を増やすことで補えます。全力に近いスピードで、勾配や距離によって10~15本を目安にしてください。坂道でのインターバル走も効果的です。なお、上りだけでなく下り坂を走るのもおすすめ。平地では出ないようなスピードを出す“オーバースピードトレーニング”が行えるほか、自然とストライドが広く大きなランニングフォームで走れます。速いスピードに対して全身の動きが適応していくことで、レース本番に向けたスピードアップにも効果的でしょう。ただし、上りよりも負荷が高いトレーニングとなりますので十分に注意してください。反復回数は上りより少なく、スピードの飛ばし過ぎは避けた方が無難です。上り・下りとも、あまりピッチが変わらないように意識してください。どうしても上りは重力などの負荷もあってピッチが下がり、下りはどんどん脚が回ってピッチが上がりがち。しかし、特にピッチが上がり過ぎると心拍に負荷が掛かり、苦しくなってしまいます。そのため、ストライドの広さを意識し、一定のピッチを保てるようにしましょう。勾配に左右されるピッチを維持できるようになれば、42.195kmという距離も効率的に走れるようになるはずです。番外編:ウィンドスプリントの効果LSDやジョギングなど、長い距離を抑えたペースで走る練習も行うことがあるでしょう。そんな日は、ぜひトレーニングの最期に「ウィンドスプリント(流し)」を取り入れてください。例えば150m程度の距離を3~4本、全力疾走の7~8割程度のスピードで走ります。素早い動きを行うことで、これだけでもスピードアップの効果が期待できます。特に理想のランニングフォームを意識して走るようにすると、フォーム改善にも繋がるでしょう。スピード練習は休息を挟みながら!サブ3などの目標達成に求められるスピード。これを得るために、スピードトレーニングは避けて通れない道かもしれません。しかしいずれの練習も、身体には大きな負荷が掛かります。連日のように高頻度で取り入れると、パフォーマンスの低下や怪我などの原因になりかねません。スピードトレーニングはポイント練習と位置づけ、身体の状態を見ながら3~4日に1回程度としましょう。その他はLSDやジョギング、あるいは完全休養などを間に挟みます。また、トレーニング後のケアも欠かさないようにしてください。マッサージやストレッチで筋肉をほぐし、十分な栄養を補給します。もしスピードトレーニングの予定日に痛みや不調がある場合には、トレーニングを見送るようにしましょう。無理に負荷の高いトレーニングを行っても大きな効果が得られないだけでなく、やはり怪我などの原因になりかねません。休息を上手く取りながら計画的にスピードトレーニングを取り入れ、目標達成を果たしましょう。オススメの記事ランナーのためのプライオメトリクストレーニングマラソン大会前のコンディショニング方法Vo2MAXとLT値を高めるマラソン・サブ3に向けたトレーニングメニュー