ランニングフォームの改善や走力アップに効果的な体幹トレーニング。前回は具体的に5つのトレーニングメニューを取り上げ、詳しく解説しました。しかしさらなるレベルアップを目指すなら、いわゆる“固める”体幹トレーニングだけでなく、ぜひ「スライドコアトレーニング」にも挑戦してみてください。スライドコアトレーニングとはその名の通り、「スライド(=滑る)」動きを取り入れた体幹トレーニングのこと。動きながら体幹部に刺激を入れ、筋力だけでなく身体のコントロール能力なども養われます。ここではスライドコアトレーニングについて、5つのトレーニングメニューを手順やポイントと合わせてご紹介しましょう。なお、スライドコアトレーニングでは手や足を床で滑らせる必要があります。今回は専用のアイテムを用いていますが、例えば手足の下にタオルを敷くなど、滑りやすい環境さえ整えば手段は問いません。まずは身近にあるもので、工夫して取り組んでみてください。1.マウンテンクライマー 手順両手を肩幅に広げて床につきます両足を伸ばし、身体を両手と両足つま先で支えて真っすぐな姿勢を作りましょう左右の足を交互に、膝を曲げながら手の方へ引きつけます動作時間や回数を決めて数セット行いましょうポイント・足は真っすぐ引きつける・できるだけ上下動しないようにする・両足を同じタイミングで入れ替える2.両足引きつけ手順両手を肩幅に広げて床につきます両足を伸ばし、身体を両手と両足つま先で支えて真っすぐな姿勢を作りましょう両足を同時に、膝を曲げながら手の方へ引きつけます動作時間や回数を決めて数セット行いましょうポイント足を引きつけた際、腹筋部の伸縮を意識する動作時間や回数を決めて数セット行いましょう3.腹筋スライド手順床に正座します両手を肩幅程度に開いて床につきます限界まで両手を前に伸ばしていきます限界まで伸ばしたら手を元の位置に戻してくださいこれを数回繰り返しましょうポイント真っすぐ「もう限界だ」となるまで手を遠くに伸ばす左右の手は同時に動かす上半身だけでなく腰も伸ばす4.サイドスクワット手順両足を肩幅よりやや広く開いて立ちます左足は膝を曲げて腰を落としながら、右足は横もしくは斜め後方に伸ばしましょう元の姿勢に戻り、これを繰り返してください足を入れ替えて同様の動作を行いましょうポイント曲げた膝が前に出ないようにする伸ばす足は遠くまでしっかり伸ばす上半身の位置は変えずに腰だけを落とす5.ランジ手順直立の状態から左足の膝を曲げ、右足を後ろに伸ばします伸ばした足の膝が床につく直前まで到達したら、元の位置に戻りましょうこの動作を繰り返してください動作する足を入れ替えて反対側でも行いますポイント足の動きに合わせて腕も振る前かがみにならず上半身は床に対して垂直を維持する元の位置に戻る際は、膝を曲げた方の足でしっかり地面を押す大切なのは、速さより正確さ!スライドコアトレーニングは、しっかり手足が“滑る”ことが大切です。滑らかに動かないと効果が下がりますので、まずは環境を整えてください。なお、スライドコアトレーニングを実践する際には、「とにかく早く動作しよう」と考える人が少なくありません。もちろん素早く動くことは効果を高めますが、動きが雑になったり小さくなったりしては本末転倒です。まずは「正確に動作する」ことを基本として、ゆっくりした動作から始めましょう。正しく動けるようになったら、その動きを維持しながら少しずつスピードを速めてみてください。