ランニングシューズの設計意図はモデルごとにまったく異なります。ドロップ、プレート、シャンク補強、ソールの硬さ——。しかし「そのシューズが“自分の走り”にどう影響しているか」を定量的に判断する手段は、これまでほとんどありませんでした。今回、足元センサーの ORPHE CORE × ORPHE TRACK を使い、アディダス Adizero BK(以下アディゼロBK)NIKE Alphafly 3(以下アルファフライ3)の 2種類のシューズ × 2つのスピード(ゆっくり / 速い) で走行し、シューズによる プロネーション(内倒れ) と 着地タイプ(フォア/ミッド/ヒール) の変化を可視化しました。■ なぜ「ORPHE TRACK」だとシューズの違いがわかるのか?● 足元にセンサーがあるからこそ取れる“生の動き”ORPHE CORE はシューズ(足背)に取り付けるため、プロネーション角度(靴の傾き)着地タイプ(フォア / ミッド / ヒール)を リアルタイムに計測できる 点が大きな特徴です。着地やプロネーションは人によって「体質」のように違います。数値が大きい・小さい、着地がヒール寄り・フォア寄りだからといって、それ自体が良い・悪いというわけではありません。■ シューズは“良くも悪くも走りを補正する”シューズは設計により走りへの補正がかかります。ドロップ(踵とつま先の高低差)が大きい → フォアフット着地を誘発シャンク補強 → シューズのねじれを抑制し安定化つまり、“シューズの設計によって走りが「変わる」”のは当たり前。ただし補正が“合うかどうか”は人によるため、合わないシューズを履くと逆に痛みが出ることもあります。(実際、私自身もシューズの設計と自分の走りが合わず、なんでもないJOGで足を痛めた経験があります)■ 実験の目的「スピード × シューズ」が自分の走りにどう影響するか」を可視化する今回のテーマはシンプルです。■ 実験環境場所:皇居(直線区間) 同一条件で比較するため シューズレンタルもできる「ランステ」が近くて便利使用シューズ:アディゼロBK(ドロップ小・プレートなし)※手持ちシューズナチュラルな走りが出やすいアルファフライ3(ドロップ大・カーボンプレート入り)※レンタル補正が強そう※ORPHE COREの取り付け角度が変わるため、シューズ履き替え時は足背キャリブレーションを実施%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fplayer.vimeo.com%2Fvideo%2F1145847447%3Fbadge%3D0%26amp%3Bautopause%3D0%26amp%3Bplayer_id%3D0%26amp%3Bapp_id%3D58479%22%20width%3D%22330%22%20height%3D%22713%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20title%3D%22ScreenRecording_11-15-2025%2012-13-24_1.MP4%22%3E%3C%2Fiframe%3E■ 実験内容① ゆっくり(約5'00–6'00/km)走るアディゼロBKアルファフライ3② 速く(約3'12–3'35/km)走るアディゼロBKアルファフライ3■ 実験結果(ORPHE TRACK計測値)① アディゼロBK × ゆっくり(約6'00/km)着地:左ヒール 75% / 右ヒール 95%プロネーション:左 19.5° / 右 14.7°→ 完全なヒール着地。プロネーションはやや大きめ。→ ナチュラルな走りがそのまま出ている印象。② アディゼロBK × 速い(約3'35/km)着地:左 100%ミッド、右はヒール/フォア 50/50プロネーション:左 20.0° / 右 16.4°→ スピードが上がるとミッドフット寄りに自然移行。→ プロネーション量は大きく変わらず“自分のデフォルト通り”。③ アルファフライ3 × ゆっくり(約5'07/km)着地:左右とも 100% フォアフットプロネーション:左 21.3° / 右 19.6°→ ゆっくりでも完全フォアフット着地に変化。→ 「ドロップ×プレート」が強く影響。④ アルファフライ3 × 速い(約3'12/km)着地:左 100% フォア、右はミッド/フォア 50/50プロネーション:左 24.3° / 右 18.3°→ 高速走行でもフォア寄り継続。→ プロネーションは抑制されると思いきや、意外と大きいまま。=ナチュラルな癖を強く変えるほどではない。■ 考察:この結果からわかる「シューズ選びの指針」1. アルファフライは“補正強め”だけど“癖を完全には消さない”ゆっくりでもフォアフットに誘導しかしプロネーションは“元の癖”を残したまま→ (あくまで私の走りであれば) ナチュラルな走りから大きく変えすぎない設計とも言える2. アディゼロBKは“素の走り”が出やすいゆっくり=ヒール速い=ミッド→ 標準動作を最も再現している3. ケガ予防とパフォーマンスは別軸で考えるべき補正が合えばケガ防止につながるが、合わないと逆効果になることも。→今回の私の場合は “補正していないナチュラルな走りのほうがケガをしない” という想定で考察を進めていますが、人によっては”補正した走りのほうがケガをしない”というパターンもあると思うので、どれを正とするかは人と狙い(パフォーマンスを優先するかなど)によって考えるべきかと思います。4. 目的別でシューズを選ぶ、という発想ができる例えば…「アルファフライ寄りの走りに寄せたい」なら→ 普段のJOGでもアルファフライを履いて慣らすのもアリ※ただし急激なフォア化でふくらはぎ系の負荷が増える可能性あり「高速域ではミッドが自然」という傾向があるなら→ ドロップ小さめ × カーボン入りの軽量シューズをレース用に選ぶのも◎■ ORPHE TRACK は“意図的なシューズ選び”を可能にする今回の実験は、あくまで「速度を変えた場合にシューズが走りをどう変えるか」を可視化したものです。ORPHE TRACKでできること✔️ 足元で起きている “本当の動き” を数値で把握できる接地角度・プロネーション角度・着地パターンを、目視では捉えられない精度で取得できます。✔️ シューズごとの「補正力の違い」が見えるプレート・ドロップ・シャンクなどの設計意図が実際の走りにどう作用しているかを比較できます。✔️ ランナー固有の「デフォルト走法」を客観的に把握補正が少ないシューズ (プレートなし、ドロップ小など) で計測すれば、ヒール/ミッド/フォア、左右差、プロネーション量など、その人本来の走りが明確になります。✔️ スピード帯による走りの変化を科学的に確認できる“ゆっくり”と“速い”で走法がどう変わるかを、感覚でなくデータで判断できます。✔️ 個々のランナーに最適なシューズ選び・指導に直結数値を元にした 納得感のあるシューズ選定・フォーム改善 が可能になります。ORPHE TRACKを有効活用できそうな場面■ ランニングシューズショップ(特に履き比べイベントなど)説明ではなく「データ」で見せられることで、説得力ある接客モデル間の違いの可視化購入後のミスマッチ削減につながります。■ シューズメーカーの方「設計意図どおりの走法が再現されているか」が、実走データで検証できます。モデル比較・開発検証・プロトタイプ評価にも活用可能です。■ 駅伝・実業団チームスタッフ・アスレチックトレーナーの方選手ごとの最適シューズ選択、スピード帯ごとのフォーム把握、接地安定性の評価など、“勝つためのギア選定” やそれを意識したフィジカルトレーニングへ繋げられます。■ 個人ランナー(市民ランナー)自分に合うシューズを“感覚”ではなく自分の走りのデータで判断できるようになります。ケガ予防・自己最適化・レース用シューズ選びに直結します。■ 興味のある方へORPHE TRACK 製品ページhttps://orphe.io/trackOPPHE CORE(足元センサー)https://orphe.io/coreシューズ比較・イベント活用・チーム導入などのご相談はサポート窓口へお問い合わせください。 ****※可能な範囲でサポート方法も検討いたします (すべてのケースに対応できない可能性がある点だけご了承くださいませ) 👉 サポート窓口:https://form.run/@orphesupport/