大学院時代にボカロPとして一世を風靡し、起業も2度経験するという異色の経歴をもつ、ORPHE Inc. 社員 廣瀬卓 氏にインタビューを実施しました。大手企業就職から独立、起業へORPHE Journal編集部:本日はインタビューよろしくお願いします。まず自己紹介をお願いします。廣瀬:九州工業大学で情報工学を専攻し携帯のLTEの研究をしていました。卒業後は大手通信会社に就職し、フォトフレームに通信端末を搭載するプロジェクトや、カーナビにモバイルLTEを搭載するプロジェクトにプロジェクトマネージャーとして従事していました。3年間勤めた後、大学院時代に始めていたボーカロイド制作の仕事で独立をすることにしました。当時、ボーカロイドは小説などメディアミックスをやっている時期だったので、物語を書いたり、漫画を描いたりと音楽制作以外の仕事にも積極的に取り組んでいました。元々、起業をしたいという思いがあって、音楽制作を機に、大学時代の友人、友人の会社の後輩の3人でアプリを作る会社を立ち上げました(チームEGG株式会社)。チームEGGではリズムゲームアプリを作って運用したのですが、当時競合は少なく、売り上げも結構ありました。その後、チームEGGは創業メンバーに任せて、自分自身の会社を立ち上げることにしました(株式会社mUniSm)。サービスとしてはモバイルメインでゲームをつくることができるプラットフォームの提供です。ご縁もあり出資もしていただきましたが、思うように売り上げがあがらず、残念ながら会社はクローズする方向で今調整をしています。自身の会社のクローズにあわせてフリーランスとしてアプリ開発や業務委託をやっていた中で、ORPHE Inc.との出会いがありました。ダンシングサムライで時の人に編集部:かなり異色の経歴の持ち主ですね。色々深掘りして聞きたいのですが、まずはボーカロイドの件について詳しく聞かせていただけますでしょうか。廣瀬:小学校からエレクトーンをやっており、音楽は身近なものとしてありました。中学3年の頃からは作曲もはじめました。ボーカロイドは大学院時代に流行り始めていたのですが、ちょうどニコニコ動画好きの友人から紹介してもらい、曲作りにチャレンジしてみました。当時は曲を出せば2000-3000再生される時代だったので、自分の曲を多くの人に聴いてもらえるということをモチベーションに曲を作っていました。その中で“ダンシングサムライ”という曲がヒットして200万以上再生されたのをきっかけに、ドワンゴさんから着うたを出さないかというオファーをいただいたり、「がくっぽいどコンテスト」(Gacktさんが一番お気に入りの曲を選ぶという企画)でグランプリを受賞したおかげで“Episode.0”というタイトルでGacktさんに歌っていただきメジャーデビューもできました。その他、テレビ東京の某番組の主題歌をつくったりと、サウンドクリエイターとして活動をしていました。作曲は今はあまりできておりませんが、思いついたことはメモしたり、録音したりしています。機材は徐々に揃えているので、落ち着いたら作曲もまた再開したいと考えています。最近はTikTokでヒットするという流れができているので、TikTokを利用する世代にささるものを作りたいなと考えています。会社経営の大変さを経験する編集部:身近にそんなユニークな経歴の方がいるなんて光栄です。起業についても詳しく聞かせていただきたいのですが、ご自身で起業して学びや気付きはありましたか。廣瀬:自分で立ち上げた会社(株式会社mUniSm)では当初、Unityのプラグインを作って販売することを目指していました。ご縁があって出資のお話をいただき、会社の規模は自分の想定よりも大きくなっていきました。とはいえプラグインだけではそれほど収益があがらないので、サブスクリプション(サーバー利用料+アプリ利用料)で提供していくことにしたのですが、クラウド上でテストプレイできる環境が限られており、ユーザー的に使いにくい部分もあったかと思います。サービススタート直後にアクセスが集中しすぎたため外部サービスの利用が難しくなり、自前でAndroidとWebのビルドができる環境を構築する羽目にもなってしまいました。思うようにいかないことが多く、しかも自分一人の会社だったのでなかなか周りに相談もできなかったので、会社を経営していくことは本当に大変なことだと学びました。クリエイターとして世の中にインパクトを与えられるものを出していきたい編集部:本当にいろいろなことを経験されていますね。そんな中でORPHE Inc.に入社を決めた理由はなんだったのでしょうか。廣瀬:最初はORPHE Inc.には業務委託として参画させてもらっていました。これまでの経験からフリーランスとしてやっていく自信もありました。そんな中で菊川社長から社員にならないかとお誘いいただき、それまであまり考えていなかった入社について真剣に考えてみました。入社の決め手は2つあります。1つ目はフレックスやリモートワークといった働く環境をこれまでのフリーランスの時と変えなくて良い、という点でした。まだ子供も小さいので、家族をサポートできる時間がとれるのはありがたいです。そして2つ目は、ORPHE Inc.が未来を見ている会社だと感じられたことです。業務委託契約が終わってこの会社で仕事ができなくなるのはもったいないと感じました。編集部:ORPHE Inc.ではどのようなお仕事をされているのですか?廣瀬:自社製品のORPHE TRACKアプリ、そしてASICSさんと共同でリリースしているASICS ORPHE RUNアプリの開発を担当しています。主にFlutterで開発する部分の担当ですが、サーバーサイドについても少しずつ対応していて、今後自分のできる範囲をさらに広げていきたいと考えています。サービスを1から立ち上げて開発ができるというところにやりがいを感じています。編集部:実際に働いてみてORPHE Inc.の印象はいかがでしょうか?廣瀬:メンバーはみんな自分のポジションをスペシャリストとして遂行している印象があります。またお互いを尊重していると感じられるので話しやすいです。会社としても、今まさに成長していると実感しています。見据えている未来があってそこに進んでいっていると感じられるので、働いていてワクワクしています。会社の成長にあわせて、自分も成長していける、成長していく必要があると感じています。編集部:今後挑戦したいことや、目標について教えてください。廣瀬:自分はクリエイターだと自負しています。音楽にしてもアプリにしても、自分の持っているアイデアや世界観を自分自身で作り上げることに魅力を感じます。ここ10年変わっていない目標として、どんどん新しいプロダクトやサービス、作品を作っていき、それが世の中に受け入れられて、多くの人に使ってもらうようにできればと思っています。特にそれが子供のころに見ていたアニメや映画のような未来を感じ取れるようなものを作っていければ最高です。ORPHE Inc.であればそれを実現できると感じさせてくれますしそれを実現できるように今後とも頑張っていきたいと思います。オススメの記事スマートシューズでランニング革命を - プロダクトマネージャー 平野賢インタビュー新人社員がスマートシューズにかける想い – ORPHE Inc.社員 川元留輝インタビュー 世界中の人がランニングを楽しめるように - ORPHE Inc.社員インタビュー鵜野裕基