サブ3を達成するためのトレーニングでは、その量だけでなく質にも配慮したいところ。特にVo2MAXやLT値を意識することで、よりトレーニング効果が高められます。Vo2MAXについては、心拍計の搭載されたランニングウォッチでも計測可能です。そのため言葉自体走っている、あるいは自身のVo2MAXを把握している方は多いでしょう。しかし、その意味やトレーニングに適した数値などは、よく理解できていないかもしれません。また、LT値については「聞いたことがない」という方もいるはず。ここではサブ3を目指すうえで知っておきたい、Vo2MAXとLT値について詳しく解説します。Vo2MAXとは?Vo2MAXは「最大酸素摂取量」を意味する言葉。体重1kgあたり、1分間に体内へ取り込める酸素量の最大値です。酸素を体内にたくさん取り込めると、その分だけ多くのエネルギーが生成できるようになります。これはマラソンのような長距離走にとって非常に大切なこと。Vo2MAXが高いほど、より速く、長く動き続けられるようになります。逆にVo2MAXが低いと長く動き続けられず、レース後半で失速したり、走れなくなったりするかもしれません。Vo2MAXの計算法心拍計の搭載されたランニングウォッチを使えば、これを着用して走ることでVo2MAXを計測してくれます。さらに、中にはVo2MAXをレベル分けし、自分がどの位置にいるか教えてくれるものも。こうしたギアを持っている方は、ぜひ計測してみてください。もし持っていない場合でも、以下の計算式からおおよそのVo2MAXを算出できます。Vo2MAX=最大心拍数÷安静時心拍数×15.3なお、安静時心拍数とは、何もせずリラックスした状態での心拍数。これに対して最大心拍数は、上げられる限界の心拍最大数です。最大心拍数が分からない方は、以下の計算でだいたいの数値が算出できますので参考にしてください。最大心拍数=208-0.7×年齢厚生労働省の発表している「健康づくりのための運動基準2006」によれば、年齢・性別毎の基準値は以下の通りとのこと。ただしマラソンのような競技に取り組んでいれば、これを大きく上回ります。例えばプロアスリートであれば、70~80ml/kgを超えてくるでしょう。私の場合はトレーニング時にランニングウォッチで計測すると、だいたいVo2MAXが68ml/kg前後と表示されます。【20歳代】男性:40ml/kg、女性:33ml/kg【30歳代】男性:38ml/kg、女性:32ml/kg【40歳代】男性:37ml/kg、女性:31ml/kg【50歳代】男性:34ml/kg、女性:29ml/kg【60歳代】男性:33ml/kg、女性:28ml/kg参考健康づくりのための運動基準 2006(厚生労働省 運動所要量・運動指針の策定検討会)LT値とは?LT値については、類語としてAT値という言葉がよく登場します。AT値は「無酸素性作業閾(いき)値」と呼ばれるもので、簡単に言うと有酸素運動から無酸素運動への転換点。ランニング時であれば、走るペースが速くなることで切り替わっていきます。そしてLT値とは「乳酸性作業閾値」と呼ばれ、ここを超えると乳酸が溜まり始めるというポイント。実際には異なる用語ですが、基本的にAT値と同義を考えて良いでしょう。乳酸が溜まると足が疲労してきます。そのため、マラソンのような長距離走では、できるだけLT値を超えずに走り続けることが大切です。これを超えたペースで走れば、疲労によって後半失速してしまうでしょう。LT値の計算法では、自分のLT値がどの程度なのか。これについて、詳しい数値は専用設備のある環境下でないと計測できません。ただし、おおよその数値であれば、心拍数をもとに算出できます。以下がその計算式となりますので、目安として確認してみてください。LT値=[最大心拍数−安静時心拍数]× 0.75+安静時心拍数まずは心拍状態を知ることからVo2MAXやLT値の意味、そしてトレーニング方法についてご紹介しました。いずれの場合でも、まずは自分自身の心拍状態を知ることから始まります。感覚だけで走っていても、あまり大きな効果は期待できません。また、走るペース等はVo2MAXやLT値の向上に合わせて調整する必要があり、心拍状態も定期的な計測が求められます。Vo2MAXとLT値を用いたトレーニングに取り組み、サブ3という目標達成を果たしましょう。次回は、これら数値を高めるために実践したい、具体的なトレーニング方法をご紹介します。サブ3を目指すランナーにオススメの記事Vo2MAXとLT値を高めるマラソン・サブ3に向けたトレーニングメニューフルマラソンでサブ3を目指す!おすすめのトレーニング方法 ランニング効率を高めるためには、まずは「着地」を改善しよう