ランニングを始める際、フルマラソン完走を1つの目標に据える方は多いでしょう。私はダイエットを目的に走り始め、その5カ月後に初フルマラソンを完走。そのときの達成感や喜びは、今でも覚えています。そしてその経験が、「もっと速く、長く走れるようになりたい」という、大きなモチベーションとなりました。ランニングを続けると少しずつ走力が高まり、走れるペースや距離が変わってくるでしょう。しかし42.195kmに及ぶフルマラソンは、やはり一筋縄ではいきません。中には“月間走行距離”を目安に、とにかく距離を積むことに重きを置く方も多く見らえます。しかし、これでは効率的ではありませんし、疲労が蓄積するなど怪我を引き起こしかねません。実際に怪我が続いたことを背景に、ランニングをやめてしまう方は多いようです。フルマラソン完走を目指すのであれば、計画的なトレーニングに取り組みましょう。ここで具体的に、これからフルマラソン完走を目指す方におすすめのトレーニング方法をご紹介します。高負荷のトレーニングは不要!トレーニングと聞いて、追い込んだ辛いものをイメージする方は多いでしょう。しかしフルマラソンの“完走”を目標とするなら、そうした高負荷のトレーニングは必要ありません。例えばペース走やインターバルを始めとした高負荷のトレーニングは、フルマラソン完走後に「もっと速く走りたい!」と記録を目指すようになった段階で取り入れてください。これからフルマラソンに挑戦する方は、まだ走力の土台ができていない状態です。ここで無理に高負荷のトレーニングを行うと、身体が耐えきれず怪我の原因になりかねません。例えばフルマラソンの多くは制限時間が6時間、アベレージペースは約8分半 /kmとなります。恐らく多くの方にとって、これは決して速いペースではないはずです。問題は、このペースを42.195kmにわたって維持すること。そのため、基本的には以下をポイントとしてトレーニングに取り組むと良いでしょう。8分半/kmで42.195kmを動き続けられるようになる最大スピードは6分半/km程度まで高めれば良いレース中は不測の事態が起こりますし、給水所で思ったより時間を使ってしまうかもしれません。そのため、「頑張れば数kmは6分半/kmくらいで走れる」程度のスピードを身に付けておくと安心です。また、走るだけでなくウォーキングを交えても構いませんので、42.195kmという距離を動き続けてみるのも良いでしょう。時間に関係なく「動き続けられた」という経験は、大きなモチベーションに繋がるはず。あるいは6時間と決めて同様に動き続け、その時間内での移動距離を少しずつ縮めていくのもおすすめ。少しずつ距離が長くなっていくと、フルマラソン完走が近づくのを感じられます。ランニングフォームを身に付けるフルマラソン完走に向けて、まずはランニングフォームを身に付けましょう。身体に負担が少なく効率的なランニングフォームを獲得できれば、長い距離でも楽に走れるようになります。日々のトレーニング効果が高まるほか、フルマラソン完走という目標が一気に近づいてくるはずです。以下にいくつかポイントを取り上げますので、自身の走り方を照らし合わせて確認してみてください。タイミングを見て、定期的に動画などでランニングフォームを確認するのもおすすめです。1. 腰を高い位置でキープする腰が落ちると接地時間が長くなり、着地後動作が遅くなったり上手く推進力を得られなくなったりします。胸の辺りから斜め上方に身体を引き上げるような意識で走ると、腰の位置を高くキープしやすくなるでしょう。2. 前傾姿勢を維持する身体を前傾させることで重心が前に移り、これが推進力となります。ただし多くの方は、前傾を意識するあまり腰を曲げて上半身だけを前に傾けがちです。これでは意味がありませんので、真っすぐな姿勢を維持したまま身体を前傾させましょう。なお、前傾姿勢を長く維持するには、体幹部の筋肉が欠かせません。すぐに腰が曲がってしまったり、前傾姿勢を長時間キープできなかったりする方は、以下で取り上げているような体幹トレーニングに取り組んでみてください。体幹を鍛えてレベルアップ!ランナーにおすすめの体幹トレーニング5選“滑る”ことで強い体幹を獲得する!ランナーにおすすめのスライドコアトレーニング5選3. ミッドフット走法を意識する着地位置によって「フォアフット」「ミッドフット」「ヒールストライク」という3つの着地法があります。フルマラソン完走を目指すなら、この中で「ミッドフット」での走法を身に付けましょう。上下動など余計な動作が少なく、下肢への負荷を押さえながら走ることができます。なお、各走法については以下記事を参考にご覧ください。 ランニングに最適な着地は?ミッド、フォア、ヒールの特徴とオススメの着地法4. 全身を使って走る足だけで走ろうとすると、効率が悪くすぐに疲れてしまいます。腕振りや腰回転など、上半身もしっかり使って走りましょう。特に疲れてくると、すべての動作が小さくなりがちです。そういうときこそ上半身を使い、足だけに頼らず推進力を生み出すよう意識してください。週末詰め込みより日々の積み重ね仕事や家庭事情などから平日に時間が取れず、週末にまとめて走るという方は多いでしょう。しかしフルマラソン完走を目指すなら、できるだけ平日も含めたトレーニングプランを組むことが大切です。週末だけたくさん走ったとしても、平日すべて走らなければ走力向上は見込めません。また、ランニングフォームやミッドフット走法も、繰り返しのトレーニングによって身に着きます。もちろん限られた時間ですので、毎日のように何十kmも走る必要はありません。例えば平日は5kmだけ、週末に少し長く走るといった形で良いでしょう。こうした積み重ねが、結果的にはフルマラソン完走への近道になります。 とはいえ休養も大切です。2~3日に1回は休足日を設けるほか、以下のような際にはトレーニングを中止してください。筋肉痛をはじめ身体に不調があるどうしても走る気力がわかない身体に大きな疲労感がある中には「1日走らないと不安」という方もいるでしょう。それなら筋トレや水泳など、ランニング以外の運動で身体を動かすのがおすすめです。私も週2回は水泳を行うほか、休足日でも動きたいときは筋トレを多めに行っています。過度なトレーニングは、むしろ怪我などの原因になりかねません。せっかくフルマラソン完走に向けて取り組んでいても、怪我で走れなくなっては本末転倒。休養もトレーニングの一部と考えましょう。オススメの記事アンバサダーに学ぶ!スマートシューズ ORPHE TRACK の活用方法 前編ランニング後の疲労軽減!~マッサージ&ストレッチ編~ 周回コースでのトレーニング、メリットとおすすめ練習法